1. 調査の目的

私たちは、現在の環境と社会と技術に対して、何に期待と信頼を置き、これからどのような社会へと向かおうとしているのか。とりわけ、想定を超えた風水害の頻発や未知の感染症といった新たな自然災害に見舞われる中、私たちそのものの社会や自然に対する見かたもまた、これまでとは変わりつつあるのではないか。

本調査では、こういった現代社会のあり様と社会が向かう方向を明らかにするために、人工知能をはじめとした情報技術に対する人々の認識や、日常生活と災害発生時それぞれの場面にある様々なリスクへの対応として人工知能を利用する場合の認識を把握することを目的とする。

2. 調査概要

  • 首都圏と関西圏*に住む、インターネット調査会社のモニター。
  • 各地域 n = 700 * 2 = 1400
  • 年齢構成比が母集団と同等となるように抽出
  • 2020/11/2〜2020/11/4の回答者を対象
  • 被災経験者 60 名** も抽出

* 首都圏は、一都三県(東京・神奈川・千葉・埼玉)、関西圏は二府四県(大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山)から抽出した。

3. 調査結果

結果については,現在、分析を進めている。
一例を示すと、以下のような結果と考察になる。

人工知能への信頼は世代によって違いがあるのか?

[質問項目] Q13 購入する商品の選択や道順の検索などの日常的な場面において、あなたは人工知能を信頼できますか。

関東と関西の年齢別の「人工知能を信頼できるか」の調査グラフ。対象年齢は10〜80歳まで。「かなり信頼できる・やや信頼できる」「どちらともいえない」「あまり信用できない・全く信用できない」の3つの区分を作り、とくに関西圏の20代近辺の若者において、「かなり信頼できる・やや信頼できる」の傾向が見られる。全年齢帯において「あまり信用できない・全く信用できない」は少なめ。

年齢層ごとの回答割合をプロット*したところ、基本的には年齢が若い回答者ほど、人工知能を信頼できると回答。

人工知能への信頼は若い世代ほど肯定的。

* 回答割合は計算対象となる年齢の前後5歳計11歳分の回答者の回答率を計算することで求めた。